虎と鶏とシャリプトラ

創作

「囚人よ、いったい誰がおまえを縛ったのか」
「わたしのご主人だった」と囚人は言った。「わたしは富と権力で世界中の誰にも負けないつもりだった。そしてわたしの王のところへ行くべき金銭を自分の宝庫に貯めておいた。眠くてたまらない時にわたしはご主人の床に寝た。そして目を醒してみると、わたしは自分の宝庫の囚人になっていた」
「囚人よ、この頑丈な鎖を一体誰がこしらえたのか」
「わたしがこしらえた」と囚人は言った。「この鎖を念入りにこしらえた。誰にも負けない力で世界を奴隷にし、自分だけは勝手気ままでいられるつもりだった。そこで夜も昼もどんどん火をおこし、遠慮会釈なく鎖を鍛えた。ついに仕事が済んで鎖の環が頑丈に仕上がった時、気がついてみると縛られたのはわたしだった」

byタゴール

虎の巣の上で彼は踊る それは軽快なたのしい足さばき
指先から起こす突風に 美しい詠唱をのせて
あああああ
ああああああ
きみをしばるものは一体誰だい

あああ あああ
シャリプトラ
きみは一体何に怯えているんだい

天上天下一切合切
万物は全霊で
こんなにきみを愛しているというのに

ばかだね
そんなに縛られたいなら勝手にしたまえ

わたしはきみが気づくまで 隣で踊っているからね

虎も鶏も山も虫も
風も海も微生物さえ
すべてがきみの自由を承認しているんだ

ただきみだけが
そう きみだけが、ひとり罪人の気持ちでいるんだ
しょんぼりしてみせるのが<正しいこと>だと思い込んで
滑稽すぎてコケコッコーさ

こっちへきて 一緒に踊ろうじゃないか
朝告げ鳥は 虎の頭で
もう夜明けを叫んでいるじゃないか

あああああああああ
あああああああああ
きみをしばるのはきみしかいない
幼稚なぐるぐるまきごっこはもうやめたまえ

地平線をごらん
夜明けが来てるんだ!